アーケード版の特徴3
マップデザインについて

マップデザインとはステージ構成の設計図のことで、ゲーム内では「ROUND」、シナリオ設定上は「宝物庫」、海外製品だと「LEVEL」になっております。

これらをひっくるめてサイト内では「」と呼称してます(古い人間なのもので・・・)。

モニターの解像度が基準

移植元のApple II版Lode Runnerとアーケード版は、モニターの解像度とマップサイズが異なります。

  Apple II Arcade
解像度グラフィック 280*192 ドット(6色) 384*256 ドット(512色)
キャラクターサイズ 10*10 ドット 16*16 ドット
マップサイズ 28*16 マス 24*16 マス

もし、AC版のキャラクターも10*10ドット表示にしていたら、全く同じマップで登場していた可能性があります。

しかし、16*16ドットまで上げてサイズを縮めたことによって、
アクションの促進効果及び、アーケードゲームの標準プレイ時間に、より適しているようにしたとのことです。

より多くのプレイヤーに認知させるために

上記の理由により、本家(Apple II)のマップと完全に同じデザインには仕上げられません。

当時、Lode Runnerを既に知っている本家LRに慣れたプレイヤーが、噂を聞いてゲームセンターへやって来たものの、期待していたLode Runnerが見たことのないオリジナルマップだけなら、「これは違う」などと感じ取られた可能性があります。

レンガを半分ずらして配置

狭い画面でもマップデザインを再現性の高い仕様にするために、当時の開発陣は苦肉の策を取りました。 レンガやハシゴの高さを半分ずらして組合せるなどして、少しでも忠実に仕上げたのです。その2機種の比較画像をご覧下さい。

PC-LR level55 PC版のLode Runner / Level 55
28*16マス
(Image by StrategyWiki)

ACLR-R18 AC版のLode Runner / Round 18
24*15マス
上のステージを模倣した面。
無駄に最上段までレンガを積んだのも上記の理由から。

次回作「バンゲリング帝国の逆襲」では、このずらし部分をかなり減らし、三作目「魔神の復活」はR03のみで、最終作の「帝国からの脱出」で完全になくなりました。

トラップはまだなかった

最初のアーケード版では、まだトラップがありません。次回作「バンゲリング帝国の逆襲」より登場します。

「初めてプレイした人が不可解に思えるようなやられ方はタブーで、見えない落とし穴は今回採用しませんでした。」

雑誌「LOG iN」のスタッフインタビュー記事より。(by POTさん)

アーケード版LRが市民権を得るまでの道のりは、かなり大変なものだったのではないでしょうか。

マップデザインの特徴

実質アクティブ・エリアは24×14マス

Coordinate

これはLR2-R01の座標画像です。グリットの横線がキャラの半分で引かれていますね。
上で述べたように、マップサイズは横が24マス・縦が16マスですが、最上部のスコア表示枠1/2マス(8ドット)と、最下部に敷き詰められたコンクリート1/2マス(8ドット)の分が差し引かれ、実際のアクティブ範囲は24*15マスとなっております。

但し、最上段にランナーが到達するとクリアとなるため、脱出ハシゴが表示されるまでは向かうことが出来ません。

つまり、ランナーが任意に走り回れる範囲は24*14マスとなり、本家マップ(28*16)より横-4マス、縦-2マス狭くなっているのです。

尚、LR1のマップは最下部まで行く必要のある面だけにコンクリートが敷かれています。なぜLR2以降から最下部がそうなったのかと言うと、当時はテーブル筐体も流行しており、画面の端は真っ黒です。LR1の稼働中に最下部がわかりづらく何か苦情でも来たのか知りませんが、LR2以降はそこを視認しやすいよう配慮されたのでは?

などと、これを書きながら思いついた憶測で、実際はどうなんでしょうか?

配色

1ブロックの各ステージは3色に分かれています。最も目につきやすいレンガ色を変える事により、ステップアップを意識させる・・・・のかも知れません。

1stステージ:ピンク → 2nd:水色 → 3rd:茶色

lr1-r1

穴の背景色また、背景色が黒ではなくグレーにしたのも理由があります。掘った穴の位置と背景の区別を分かりやすくする為なのです。たくさん穴を掘った所へ近づいた敵が、どこに埋まるのかなど視認が容易です。背景色まで黒だと、記憶が頼りになることでしょう。

キャラクターの配置について

ランナー & 敵キャラ

アーケード仕様なので、開幕直後にミスになるよな敵の配置は極力排除されています(例外がLR2-R14)。ランナーが頂上や端側に立っている場合は、敵を遠くに配置して確認できるまでの時間を配慮しています。¥100が数秒で消えないように、色々考えられていますね。

金 塊

制限時間がある為、無駄に多く配置されていません。LR2以降は、スタート直後に敵が金塊を必ず取るような配置のステージが非常に多くなっています。テクニカルボーナス獲得難度を上げたのでしょうか。

金塊配置数 参考データ
シリーズ 総配置数 平均 最少配置数 最多配置数
LR1 247 10.3 3 R09 21 R24
LR2 402 13.4 6 R11 23 R08
LR3 407 13.5 9 R01,16 21 R11
LR4 446 14.8 8 R29 23 R19

オリジナル版からの移植面

PC(Apple II)板Lode Runnerのステージから、どのくらい移植されていたのか、管理人が独自に調べました。

Round LR 1 LR 2 LR 3
01 level 001    
02 level 003   level 027
03 level 005 level 103 level 087
04 level 080    
05 level 013    
06 level 007    
07 level 026    
08 level 002 level 056  
09   level 054 level 077
10 level 060    
11 level 100 level 066  
12 level 008 level 148  
13 level 085    
14 level 012 level 069  
15 level 100 level 062  
16 level 048    
17 level 014 level 052  
18 level 045 level 092  
19 level 055    
20 level 009    
21 level 050    
22 level 032    
23 level 042    
24      
25 ----------    
26 ----------    
27 ----------    
28 ----------    
29 ----------    
30 ----------    
移植数 21 9 9

他にも、Level 023、041、014、068、076、109 などがありましたけど、お蔵入りに。もちろん、それ以外にもたくさんのお蔵入りステージがあったようです。

数字等間違っている可能性もあるので、もしお気づきになられた方はご連絡頂けるとありがたいです。