アーケード版のLode Runnerについて

ロードランナーとは?

lode_runner1980年代にアメリカで発売され大ヒットした、PCゲームのタイトルです。
アーケード(AC)版はそれをゲームセンター仕様に移植・開発されたもので、まずはこのゲームの概略からお話します。

[ ゲーム内容 ]

奪われた宝を取り戻すべく、バンゲリング帝国 [1]に潜入したコマンダーが、レーザーガンで掘った穴に敵を封じ込め、あるいは穴を落下して身をかわしながら宝を全て取って次の宝物庫へ進むという、パズル・アクションゲームです。また、判断力・思考性・パズル要素を組み入れ、時には反射神経も必要とする、奥の深いゲームでもあります。

業界向けにアイレム株式会社(当時)が1984年に発行した、新製品ニュース「ロード・ランナー」より引用。

要は、画面内の金塊を全て集めたらハシゴを上ってクリアするだけのゲームです。初めてのプレイでも直感で分かるぐらい、単純なルールとなっております。

このLode Runnerの前身である「Miner」を開発した、アメリカのDouglas E. Smith氏が1982年にBrøderbund社と契約し、1983年に改良された「Lode Runner」(以下LR)となりました。
これはApple II を始めAtariやC64など、多くのPC用ソフトとして販売され大ヒットし、ゲーム業界から数々の賞を受賞 [2]されました。

FC LR同年10月、日本で初の移植品であるNECのPC-100版 [3]を筆頭に、その後多くのプラットフォームに移植されました。代表的なのはNEC-PCシリーズ、MSX版、ファミコン版など、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
(1984 © HUDSON SOFT)

その後も復刻版や新しいLRがたくさん発売され続けており、これだけ長年に渡って世界的に多くのプラットフォームから発売されるゲームも珍しく、どれだけ最初から完成されたシステムなのかと、時々感慨深くなってしまいます。

アーケード版の開発について

アーケード版については、アイレム社の取締役であったスコット津村氏の尽力のお陰である。
1984年、米国のブローダーバンド社から「ロードランナー」のライセンスを取得し、同年7月には初のアーケード版をリリース。
これを機に、ブローダーバンド社との関係を深め、翌年の1985年6月にはティム・マーティン氏が開発した「スペランカー」のライセンスも取得した。

このアーケード版が全国のゲームセンターに設置され、その後約2年間でシリーズ4作を出し大ヒットさせました。(北米へも出荷しております)
当時のアーケード用ビデオゲームでもシリーズ化されたものは少なかったそうで、それだけ多くのファンを獲得し続けたと言えるでしょう。

それから30年以上の歳月が立った今、このゲームを知らない人が年々増加し、そして風化する運命になる事でしょう。その運命に逆らうかのように、当サイトではこのアーケード版LRの魅力について、深く掘り下げて色々紹介して行きます。

尚、当サイトでは便宜上、それぞれLR1、LR2、LR3、LR4と表記しておりますが、実際のシリーズNo.はLR2までしか確認しておりません。

アーケード版が一番面白い!?

LR1 Flyer LRについては、家庭用ゲーム機用であれアーケード版であれ、同じライン上にあり、業務用のノウハウを最大に加味された結果、アーケードでないと出来ない強烈なインパクトのある、新しいコンセプトの「Lode Runner」に変身しました。
他のマシンのLRでは見られないこのゲームの醍醐味は、ゲームシステム(スコア)並びに敵キャラの動き(アルゴリズム)でしょう。

一つの面で9通り以上のパターンもあるなど、他のゲーム機にはなかった完璧に近いゲームシステムは、私の好奇心を掻き立てさせたのでした。

このゲームの奥深さを知ってしまったからには、とことん追求して極めたく思い、都内の設置店に暇を見ては通い続けたり、また、基板を購入してまでやり込んだ事もあります。

数多くあるLRの中で最も面白く、それを共感出きる世界中の人達と交流ができればと思い、このサイトを立ち上げました。

現在はゲームそのものから離れておりますが、今でも時々遊ぶ事はあります。まあ、今時このゲームで遊ばれる方は殆どいないでしょうが、是非ともお楽しみ頂けたらと思います。

2013年 管理人@Mura


補足事項

下の文章は、主にNEC-PCシリーズ用LRを発売したシステムソフトが、1985年に発刊した
「Lode Runner™ Fan Club NEWS」の第一号から、冒頭部分を抜粋・引用したものです。

「ロードランナーは今更言うまでもなく、限りない潜在能力を持ったゲームです。ロードランナーは今までのコンピュータゲームとは全く違います。つまり、ゲーマーが工夫をすればするほどいくらでも面白く遊べるゲームなのです。今までにこんなに長くやっていても、飽きないゲームがあったでしょうか。」

正に、私の言いたいことが分かりやすく表現されています。キャラやシステムが少々違えど、LRファンの共通する思いは皆同じなんだと、改めて認識させられた記事です。


  • 脚注1 世界観を共有するバンゲリング帝国三部作のひとつ。[Wikipedia]
  • 脚注2 1984年度の受賞歴:Electronic Games 誌 - アーケード大賞 / Billboard 誌 - 総合第1位 / Creative Computing 誌 - アウトスタンディングソフト大賞 / 米国電子工業会 - CESソフトウェア大賞 / 国内ではゲーム情報誌Beep(創刊号)にてパソコンゲームランキング 1位。
  • 脚注3 SystemSoft/時事コラム「往年の名作ゲーム【その1】(2005.6.27)」より。
  • 脚注4 現在は米国Tozai, Inc. がLode Runner™ に関する全ての権利を所有しています。
    尚、国内市場の商品化権は株式会社Tozai Gamesにあります。

サイト内や書き込みに使われている主な用語集

意味が伝われば細かいことは気にしておりませんので、参考程度に。

AC、アーケード AC=Arcade。ここではアーケードゲーム用基板のLode Runnerを主に紹介しています。
LR1 - LR4 AC版のシリーズ。(LR = Lode Runner)
レンガ コマンダーが掘れる地面。
コンクリ コマンダーが掘る事のできない地面。ゆえにコンクリートと言われている。
バー、 ロープ 見た目がそんな感じなので広まってるが、実際は雲梯。(パッケージ写真)
ブロック(1) 同じ敵キャラクターが登場するステージ数の単位。3面を一つのBlockとして設定されている。
ブロック(2) LR4に登場する新ギミック。透明ブロックと動かせるブロックがある。
MB Movable Block。LR4に登場する動かせるブロックの略で、可動ブロックとも呼ばれている。(インストカードは MOVE BLOCKS)
マス キャラクター(16*16ドット)一つ分の単位。レンガ3つなら3マス。
座標 画面をマス単位で区切りった状態の中での、キャラクターの表示位置。
稼ぎ 点数稼ぎの略。
嵌め、 シール、シールド 囲まれた場所へ敵を閉じ込めること。
打つ、 開ける レンガを掘って穴を開ける事。
飛び込み 足場を離れて落下する事。
隠れ ステージ内のどこかに隠れている敵、隠れキャラ。
引っ掛け 2匹以上の敵を、互いの進行の妨げをさせて固まるように仕掛ける事。
半殺し 敵が掘った穴へ落ちかけた時に埋まってしまう事。また、横移動から埋まったレンガで消す事。2万点狙いに有効。
ブルー クリア時に、残りタイムの色が水色の事(LR2~4)。タイムアタック要素の趣旨。
1万、2万 クリア時に貰えるテクニカルボーナスの事。
生き埋め 敵が穴から出た所にあるレンガも同時に元へ戻ると、体半分がそのレンガに埋まった状態で固まるバグの事。レンガを掘れば動き出す。動きを封じると共に、時には稼ぎにも使用するが、敵キャラクターによっては固まらない。
LRマジック MBバグを使って敵をその場で足止めさせる事。
マジック掘り 二つ先のレンガを掘るバグのような技。理屈上、仕様とも言える。
仮想ブロック MBバグの一つ。敵にしか見えていないMBを作ることで足止めさせる技。